オヤヂ殿はいつも勝手だった。
「男の約束な!」とか言って、一方的に僕の嫌な取り決めを決行しようとする。
ギブアンドテイクなどではない。一方的な命令を「男の約束」などという
一見フェアな条件のように見せて強引に取り決める。
拒否権などない。
僕の心はまた落ちたのだった。
僕が小学校に上がったばかりのころ、
珍しく、「映画館にアニメ映画を観に行く」ことになった。
1986年の劇場版アニメ「アリオン」である。
なんでも会社で無料のチケットをもらったとのこと。
大人になって、最近観たけども、なかなか面白い作品だった。
しかし、当時の幼い僕にとってその内容はチンプンカンプン。
だって、ギリシャ神話とか、神と人とか、近親相姦とか、小学校1年生には早すぎるだろ。
当時の僕は○○レンジャーとかの戦隊モノとかそんなレベルですよ?
で、当時の僕は映画館に行ってもつまらなくてずっと観てられなかった。
それで家に帰ったら「お前はよく観てなかったから二度とアニメは観に行かない」ってこれも一方的すぎる。
僕が見たい作品だったら絶対にそんなことなかったでしょ。
そもそもタダでもらったチケットじゃねーか!